20年間無敗だった雀士、桜井章一さん。

私は少し前から熱心に桜井さんの本を読み続けている。

桜井さんの考え方には大変に興味があるんだ。

勉強になるからありがたい。


今回は冒頭にて桜井さんの本に書いてあることの中からある一部をご紹介して、そこから今の私の考えを述べていきたいと思っている。


人の運には「天運」と「地運」がある。

天運とは人知のはかりしれない自然からの運。

地運とは人の行いによって積み上げられてくる運。


まず大事になるのが、自分の行いを律し、善行を積み、「地運」をつけること。

自分を磨こうともせず、天運がほほえんでうまくことが運んでいるときはいいが、いったん落ち込み始めるとズルズルとダメになっていく。

それが真の実力であることも認めず、運が悪いと嘆いている。


新年を迎え初詣に行かれた方も多いと思う。

お賽銭を投げ、いろいろなお願い事をする。

こういう観点で考えると、これは天運がやってきてくれることを願っているということになる。

ただ、天運がやってきてくれて思い通りの結果になることがあったとしても、それは天運のおかげであって自分の実力ではない。

1つ例を出すと、宝くじで100万円当たったとかね。

これは天運のおかげで100万円を手にすることができただけで、自分の実力で稼いだお金ではない。

ここには地運はまったく作用していない。


神様にお願い事をする前に、まず日頃から自分で努力するということをしているのかを確認したいと思う。

毎日、自分の願い事に対して積み上げていくということをしているか。

これこそが真の実力を問われる部分である。



私のことで話してみたいと思う。


私は、スポーツ選手の身体を多くみてきたという実績を持っている。

これに関しては選手たちとの出会いに恵まれたことがすべてであるのだから、我ながら運が良かったなと思っているし、ここには感謝の気持ちしかない。

ただ、出会いが天運だとすると、天運に恵まれただけでこの実績を作れるだろうか?

これだけでは難しい話になってしまうとも思うんだ。


選手は身体が商売道具だ。

私と出会う前から、身体のケアはあちこちで受けてきていただろう。

選手ともなれば、基本的にヘタな人には身体は触らせない。

つまり施術をする人間としてそれ相応の実力がなければ、選手がリピーターになって自分のもとに通ってくれるということにはならないと思うのだ。

私は施術に関しては自分なりに積み上げてきたという自負があった。


出会いは天運だ。

そして、それを結んだのは地運の力。


コツコツと施術のレベルを上げるためにと努力を積み重ねてきた日々が地運を高めてきてくれた。

この努力の積み重ね(地運)があるレベルまで達した時、出会い(天運)を呼び込んできてくれたと考えるとするならば…。

まず地運が先ではないのか、ということになる。

「準備をしている者のところにはチャンスがやってくる」。

まさにこれだ。


まずは自分の力が先。

努力が先になる。

努力を積み重ねることによって、その後を追うように天運が流れ込んできてくれる。



初詣であれこれお願い事をする前に、日頃の自分の姿を思い返してみるとどうだろうか。

願い事として挙げたことを実現するために、それだけの努力をしているだろうか。

それに見合うだけの準備をしているとハッキリ言いきれるのならば、その願い事を神様に託す資格はあると思う。


他力よりも、まずは自力。

もっと広い範囲で考えてみても、自分は何もしないで、神様はもちろんのこと、親を始めとした家族や友達、自分以外の存在に依存したり甘えたり、「ねぇ、お願いって」って頼んでみてもそれは健全ではないなって感じるよね。


私から見て、そういう人はいるなって思う。

自分以外の存在に求めるだけの人。

もらうことばかり考えている人。


神様だけじゃなくて人に対してもそうなんだ。

自分のことを気にしてほしい、自分に対してよくしてほしい、

そういった願望があることは否定しない。

ただ、あなたは人に対して、その相手に対して何かをしているのですか?と聞きたい。


自分は相手に対して何も与えない。

一方的に受け身なだけで、ひたすら何かしてもらえるのを待っているだけ。


これ、天運だけを求めているのと同じなんだよね。

初詣などで、自分は何の努力もしていないのにあれこれと願い事をして、叶わなければ神様のせいにして不貞腐れているのと同じ。


「ありがとう」という言葉は美しい言葉だと思う。

お礼の気持ちを伝えることは大事。

ただ、自分が誰かに「ありがとう」と言ったとして、

それと同じだけ、いやそれ以上に人から「ありがとう」と言ってもらえているかどうか、そこを考えてみたい。


いつも自分だけが一方的に「ありがとう」と言っている。

反対に、相手から「ありがとう」と言われていないのであれば、それは…。

そういう人には天運がやってこないんじゃないかな。


人として魅力のある人って、自分が「ありがとう」と言うよりも、それ以上に人から「ありがとう」と言われている人だと思う。

こういう人にこそ大きな天運がやってきてくれるのではないだろうか。

運がどうこうより、まず人として輝いているだろうし魅力的だよね。


私にはスピリチュアルな能力がないから、神様がいるとかを断言できるわけではない。

ただ、そういった偉大な存在に対して失礼のないようにしたいんだ。

よく考えればわかることではないか。

ひらすら求めるだけの人間に、天運がやってきてくれるのかって。



「天は自ら助くる者を助く」

意味:人に頼らず自分自身で努力する者には、天が助け、幸福をもたらすということ。 (故事ことわざ辞典より)


まず自分から動かないと。

自分で努力して積み重ねるのだ。

これが先。

自分が先手をとらないと、天運はやってきてくれないんじゃないか。

仮にやってきてくれたとしても、地運がそこにないのであればそれをつかまえられないような気がするんだ。


求めるのであれば、それにふさわしい自分を作り上げておくこと。

その願い事に恥じないような努力を積み重ねていくこと。


果たして自分にそれを求める資格があるのかどうか。

そこは自分自身に対して確認しなくちゃならないことだと思う。


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整体師 齊藤仁重

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